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2019年11月01日(金)
『WXAXRXP DJS ワープサーティディージェイズ』

『WXAXRXP DJS ワープサーティディージェイズ』@TSUTAYA O-EAST / duo MUSIC EXCHANGE


Shobaleader One(映像)〜Oneohtrix Point Never(OPN)〜Squarepusher〜Bibio〜Aphex Twin(映像)〜Bibioて感じで動きました。

『Warp20』がとっても楽しかったので、30はやんないのかな〜と思っていたら、まず6月にオンラインフェス『WXAXRXP - 30 Years of Warp』があったんですよね。NTSをジャックして100時間Warpばっかり。全部は無理でしたが楽しく聴いた〜。で、オンラインだけなのか? 20のときみたいにツアーはないのか? 昨年の『BRAINFEEDER NIGHT IN SONICMANIA』みたいにソニマニでやるとか? と期待していたもののそれはなし。もうelectraglideもやっていないし、やっぱ今って大バコのオールは厳しいのかなとシュンとしていたところ、このツアーのニュースが飛び込んできたという。


まあ救心くれ! ってくらい動悸が乱れましたよね。いや…トムが来るとは何故か思ってなかった……。NTSには出ていたけど、9月にリリースされたのがJames McVinnieにオルガン曲を提供した『All Night Chroma』だったので、しばらくはクラシック寄りで活動するのかと思っててさ……あとで知ったところによると、この作品は2016年に録音済だったとのこと。はあ、作品が世に出た頃にトムはそこにはいないんだわねそうでしたね。

にしてもすごいメンツなんですがこのお三方、全員DJとしての腕は未知数な訳です。OPNは音楽クリエイターとしての側面が強いうえ、昨年はバンドで来日公演を行いプレイヤーとしてのポテンシャルを見せたひとだし、Bibioはライヴはやらないひと。トムもDJというのは珍しい。どうなるどうなる? ラグビーがーマニックスがペンギンカフェがーとかわたわたしてたらあっという間に当日です。毎度のこと乍ら前置きが長い。

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渋谷に到着、HUBへ直行。Rugby World Cupの3位決定戦(NZL vs WAL)をイングランド人とウェールズ人に囲まれて観る。渋谷はHUBがいっぱいあってこういうとき助かるネー。ウェールズにもニュージーランドにも楽しい思い出いっぱいもらったわ! おつかれさまでしたよ有難う! その後ポンチさんと合流、この日オープンしたスクランブルスクエアをうろっとしてお菓子/お惣菜フロアをウハウハまわりアーモンドミルクソフト(うまい)なんぞを食べ、ヒカリエでごはん食べていざ出陣。

したらまーすごい行列だった、EASTの搬入口ってここなんだ〜てなとこ迄ぐるりと並んでた。23時ちょい過ぎに着いて、入れたの0時過ぎてたかな。セキュリティチェックとIDチェック、eチケットのチェックがかなり厳重で、入場に時間がかかっていたようです。まあクラブイヴェントなので整理番号もないし、一杯ひっかけてきたひともそれなりにいるので列が荒れるということもなかった。しかしトップのagraphくん目当てのひととかは間に合わなかったんじゃないかね……。再入場なしというのにもビビッたが入れば時間はあっという間、激快適でした。

duo前に物販、duo内でWarp30年の歴史を彩る映像作品、EASTがメインフロア。タイムテーブルを見る。当日発表(つっても前日に公式アカウントが間違って表示しちゃったのでバレてた・笑)のSecret DJsの正体は!!! CHK CHK CHKでした。5F(そもそもここに5Fがあることを初めて知った)へ行くには階段一択だったので諦めた……いや、あとで行ってみよ〜と思ってたんだけど、いざ行ける時間になったときにはもう気力も体力も残っていなかった。

まずはduoを覗いてみるか、と歩を進めるとうおおおいい「Squarepusher Theme」が聴こえてくるじゃないの。慌てて駆け込むと丁度Shobaleader Oneのライヴ映像が流れてましたよ! ラッキー! フロアはまだ閑散。入れてないひとまだあんなにいるもんね……。とりあえず一曲聴いてEASTへ移動。既にOPNのDJが始まっていました。2Fのいい場所を確保出来たので、Bibio始まり迄そこから観た。OPNは繋ぎが強引というか雑(笑)だったけど、わかるだけでもBjörkにLFO(Mark Bell)、Aphex Twinと、Warpにゆかりのあるトラックを聴かせてくれる。Warp20では日本にも来てくれたマーク・ベルが亡くなってもう5年も経つのか、あのときはハラカミくんもいたな……とぼんやりしているとSquarepusherの「My Red Hot Car」が耳に飛び込んできた。フロアがドワ! とわく。へっへっへいい流れ作ったっしょ〜とご満悦のOPN、ドヤァ感すごくて笑ってしまったわ。いたずらっ子みたいな愛嬌だな! フロアへ拍手を贈り乍らステージ上手へ去って行くOPN、そして下手から現れるSquarepusher。大歓声!!!

『WXAXRXP - 30 Years of Warp』でのLive DJ Setや、その翌週出演したグラストンベリーフェスでの『Vic Acid DJ Set』(今日着てたオレンジのadidasパーカー、グラストでも着てた)を基調に……というかそこからまた発展させ、自身のトラックをバッキバキでアゲアゲに解体再構築。ジャジーなベースラインから始まったセットはやがて怒濤の高速ブレイクビーツへ移行、BPM200越えてんじゃないかなーてな暴れん坊ぶりです。赤い靴を無理矢理履かされたわ、踊るわー! 最高だ!

90分のセット中BPMは殆ど下がらず。でも複合リズムなので割れるんですよね。16でも8、4、2でも踏める。載ってくるメロディはさっきも聴いた「My Red Hot Car」だったり「Come On My Selector」だったり「Anstromm-Feck 4」(!)だったり「Go! Spastic」(!!!)だったりと、20年以上にもわたる自身のキャリアを振り返る内容で、それが何よりもWarpへの祝福にあふれたものだった。出てきたときはサングラスかけて(あの暗闇で・笑)パーカーのフードをすっぽり被っていたのに、演奏(あれはもうライヴだもの。そうだよそもそもDJはライヴだよ!)に熱が入るとそんなのどうでもよくなってくるところがどうしようもなくトムだった。爆音にも勝るとも劣らない地声でフロアをあおりまくるのもトムだ〜、あ〜トムだ〜。

最後に鳴らされたのは「Journey to Reedham」、待ってましたといわんばかりの大歓声。準備に出てきたBibioに歩みよってハグ、日本語で「ありがとう!」と叫び、何度も手を振り礼をして(今年RWCでお辞儀をする選手たちのことが話題になったけど、そういえばトムは昔っからお辞儀してたねえ)名残惜しそうにトムは帰っていきました。


ハグ動画撮ってる方がいた〜! この方一昨年のソニマニでショバ公式に動画転載されてた方だわ…いつもいいとこ撮ってる……シェア有難うございます!

Bibioはゆったり開始、いい塩梅でクールダウン出来る音を鳴らしてくれてます。ここでちょっとduoに移動。何故ならWiredcoreディレクションによるAphex Twinの最新ライヴ映像がもう始まっているからだ! なんでトムに被せた! 今回唯一の遺恨だよ! 嘘ですbeatinkには感謝しかありません。20分くらいは観られたかなー。フロアではモフモフのヒゲにキャップ、タンクトップとハーフパンツといういでたちの白人がひとりくねくね踊っている。あまりにも面白い動きなので誰も近寄れない、そこだけポッカリスペースが空いている。夜の深い時間にクラブで見られる光景ですね。そんななかWiredcoreのあの映像ですよ、悪夢か。最高か。ライヴ映像のあとにはリチャぐま満載の「Donkey Rhubarb」が流れてワーイ。

duoを出て物販をチラ見、ボックスセットのパッケージに見とれる。「Bibio本人持ち込み ポストカードブック」ってのがあって微笑ましかった。彼の作品のアートワークでも見られる美しい風景と時間を切りとったもの。ご本人が撮ってるんですね。今回のWXAXRXPは物販割引クーポンがもらえるスタンプラリーも実施されていました。beatinkはいつも面白い企画やってくれるなー。

EASTに戻るとDJ変わった? てくらい雰囲気の違うトラックが鳴っていた。壇上のBibioは相変わらず淡々としたたたずまい。不思議なひとだな……作品とDJ序盤と終盤の印象がバラバラ。このルーツからああいう作品が出来上がるのかと思うと興味深い。Squarepusherの「Full Rinse」もかかり(!)アッパーに終わっていきました。OPNもBibioもSquarepusherかけてくれた〜、トム愛されてる!(涙)

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思えば今回の出演者、トムがいちばん古株というか最年長。感慨深い…あのベース小僧が……。OPNはBibioの、BibioはOPNのトラックもかけたそうで、Warpというホームに集った三人がそれぞれお互いの作品とレーベルへの愛情をフロアに示してくれたこと、とてもうれしかった。DJスタイルだから殆ど間が空かなくて、入れ替わりの際出演者同士の交流が見られるところもクラブサーキットならでは。そうだークラブってこういう楽しさがあった。90年代終わりのReel Upとか思い出しちゃった。そういう意味でもジーンときてたんけど、懐古とはちょっと違うんだな……彼等の鳴らした音は、それがクラシックといわれるトラックでもヴィヴィッドで瑞々しくアグレッシヴで、そして何よりハッピーに響いたのがうれしかったんです(横文字多い)。VJなし、照明のみでそれがめちゃめちゃ格好いい! というヴィジュアルも原点を思い出させてくれてグッときた。

あー、めちゃめちゃ楽しかった。改めて、Warp Records 30周年おめでとう。革新的かつ良質な音楽を聴かせ続けてくれて有難う!

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・BEATINK.COM / WXAXRXP DJS┃BEATINK.COM
・WXAXRXP DJS EVENT REPORT / 2019.11.01 O-EAST, DUO┃BEATINK.COM
beatinkの場内さばきもお見事でした! そうそう、冒頭のtweetの説明を。場内にはWarp関連のポスターやら何やらが飾られており、リチャの(あれをリチャといっていいのかという疑問もあるが)顔出し看板やFlyLoの看板もあって撮影大会になってました。薄暗いロビーにあったからシュールだった(笑)。


WXAXRXP DJSそろい踏み。agraphくんも一員だ〜。


こんな感じででっかいテーブルにそれぞれの機材はセッティング済。よって転換もスムーズ。出番ごとにスタッフが後方のモニターふたつを移動させてました。


かわいいので載せたい(笑)。それにしてもOPNはどんどん痩せていくな。ヘルシーならよい……OPNもinstaストーリーにトムの画像やら動画やらあげてて微笑ましかった〜。

・daitomanabe Rhizomatiks┃instagram
おまけ(?)、Rhizomatiksのオフィスに来たトム。またコラボあるといいなー。